ロシアピアニズムに興味があるけど、どのピアニストがロシアピアニズムなのか分からないなあ。
おすすめのピアニストを知りたい。
こんなニーズにこたえます。
こんにちは、ゆきおです。
本記事では、昔日のロシアピアニズムの大ピアニストを紹介していきます。
ロシアピアニズムに興味を持ちはじめたころ、困ったことがありました。
それは、「どのピアニストがロシアピアニズムなんだろう?」ということ。
ピアニストについてまとめられている情報が簡単に手に入らなかったのです。
なので、作ってみることにしました。
ロシアピアニズムの世界にハマってたくさんの音源を聴いてきた経験から、ぜひ聴いてほしいピアニストを紹介します!
往年の大ピアニストの演奏は、とにかく個性豊かで、聴いていて楽しいです。
きっと、そこから学べることがたくさんありますよ。
素敵なピアニストとの出会いがありますように!
※コメントを書いていますが、ただの音楽愛好家視点かつ主観たっぷりです。人によって感じ方は違いますので、ご了承ください。
※たびたび「サブスク」という言葉を使いますが、「サブスクリプション(月額制の音楽視聴サービス)」のことです。
※本ブログでは、公式にアップされたと判断できない動画は掲載しないことにしています。昔のピアニストの動画で紹介できそうなものは、あまり見つけられませんでした...
昔日のロシアピアニズムの大ピアニストを紹介
往年のロシアピアニズムの大ピアニストを紹介していきます。
順番は適当です。
セルゲイ・ラフマニノフ/Sergei Rachmaninov
巨大で激しい曲もたくさん書かれていますが、本人の性格はかなり控えめで謙虚だったそうです。
ラフマニノフ自身は、「私の音楽は、愛や苦しみ、悲しみや宗教心を語ったものなのです」といっていたとのこと。
上で紹介した動画は、自作自演の「リラの花」。
早朝の冷たい空気や、薄紫のリラの花を眺める人の穏やかな微笑みが目に浮かんでくるようです。
ゲンリッヒ・ネイガウス/Heinrich Neuhaus
ネイガウス流派を創始したゲンリッヒ・ネイガウス。
けっこう録音が残っています。
別の記事でも書きましたが、熱心な方には彼の著書『ピアノ演奏芸術』をぜひ読んでみてください。
ハードル高めですが、彼の思考をじっくり学ぶことができます。
スタニスラフ・ネイガウス/Stanislav Neuhaus
ゲンリッヒ・ネイガウスの息子さん。
お父さんより厳格な先生だったそうです。
色彩豊かですが、コッテリしすぎず、すっきりで聴きやすいです。
サムイル・フェインベルク/Samuil Feinberg
ゴリデンヴェイゼルに学んだのち、彼自身がひとつの流派を形成した大ピアニスト。
ちょっとロマンティックなバッハが素敵です。
他の楽器のためのバッハ作品をピアノ編曲されていて、いくつか楽譜を見てみましたが、僕には難しすぎて無理(笑)
タチアナ・ニコラーエワ/Tatiana Nikolayeva
調律師さんに「タチアナ・ニコラーエワの芸術(37枚組)」のボックスセットをゴリ推しされ、その場でポチりました(笑)
乗せられた感がありますが、本当に素晴らしくて、特にバッハが最高です。至福。
打鍵スピードが速く、普通のイヤホンで聴くと、曲によってはフォルテが「カーン」と聴こえることがあります。
現実だったらものすごい倍音が出ているはずですが...
ぜひスピーカーでどうぞ。
サブスクでかなり聴けます。
ウラディミール・ホロヴィッツ/Vladimir Horowitz
「20世紀最大のピアニスト」ともいわれるホロヴィッツ。
彼の作るレガート、歌は極上です。
繊細で色彩豊かな響きから爆音まで、何でもどうぞ。
親が「英雄ポロネーズは誰のを聴いても違いがわからないんだけど...」と言ってたので、ホロヴィッツの演奏を聴かせたらビビってました。
シューベルトのソナタD960(1987年録音)では、1楽章展開部で超絶ピアニッシモが聴けてびっくりしました。
4楽章もホロヴィッツらしいコントラストがおもしろい。
好みは分かれそうですが(笑)
エミール・ギレリス/Emil Gilels
「鋼鉄のタッチ」とよく言われますが、繊細さや叙情性が際立っていると思うのです。
ゴツい見た目(あと強そうな名前)と裏腹に、ロシア的な美しい響きとレガート。
上の動画のシューマンのアラベスクも素敵すぎますね。
グリーグの抒情小曲集の録音は本当に素晴らしいので、ぜひ静かな場所で、じっくり聴いてみてください。
ベートーヴェンも大好き。
僕はCD買っちゃいましたが、どちらもサブスクで聴けます。
スヴャトスラフ・リヒテル/Sviatoslav Richter
同じくネイガウス門下のギレリスと並び称されることが多いですね。
子供の頃からロシアピアニズムの教育を受けたわけではありませんが、圧倒的な才能で何でもできちゃう方。
個人的な印象は、素人言葉ですが「かっちりした感じ」の演奏。
レパートリーは広く、録音もたくさんあります。
ダイナミックでエネルギッシュな演奏から、内省的で深みのある演奏まで、とにかくスケールが大きいです。
ラドゥ・ルプー/Radu Lupu
とんでもない美音を紡ぎ出すピアニスト。
風貌とのギャップよ、、
会場で聴く響きは、まさに「体験」だったそうです。
残念ながら録音で聴くのみですが、それでも音の異質さは伝わってきます。
上記のベートーヴェンのピアノソナタ15番の演奏が大好きなのですが、シューベルトも本当に素晴らしいのです。
特にシューベルトのソナタ13番イ長調は、「ルプーサウンド」が分かりやすいです。
可愛らしくも儚い、すてきな演奏ですよ。
もっと彼のことを知りたい方は、『ラドゥ・ルプーは語らない』という本もおすすめです。
アレクセイ・スルタノフ/Alexei Sultanov
ほとばしる情熱、溢れるエネルギー。
圧倒的な才能。
亡くなってしまったのがあまりに若すぎて、つらくなります。
ドミトリー・バシュキーロフ/Dmitri Bashkirov
ゴリデンヴェイゼル流派のピアニスト。
ダン・タイ・ソンがショパコン優勝後に師事されていた方です。
情熱的で個性的な演奏が大好きです。
ロシアピアニズムで弾くドビュッシーはとても素敵。
多くはないですが、サブスクで録音を聴くことができます。
マリア・ユーディナ/Maria Yudina
初めて彼女のライブ録音を聴いたとき、背筋が寒くなったのを覚えています。
ベートーヴェンのソナタ26番でした。
根っからの芸術家で、自分が正しいと思う生き方を貫き通したそう。
スターリンにお説教の手紙を書いたという伝説も...
ソ連から出なかったものの、国内での人気はすごいものだったそうです。
爆速でショッキングな演奏もある一方、心洗われるような演奏も多いです。
とにかく、夢中で聴いてしまいます。
ウラディミール・ソフロニツキー/Vladimir Sofronitsky
ユーディナとは音楽院の同期で、彼も圧倒的な人気があったそうです。
スクリャービンの娘婿さんだそう。
彼は超絶イケメンですが、スクリャービンの娘さんも超絶美女で衝撃でした(笑)
ロシアっぽいといいますか、ロマンティックで情熱的、コントラスト強め。
かなり個性的で、引き込まれます。
やはりスクリャービンの録音が多いです。
サブスクでかなり聴けますが、録音状態が良くないものも。
オレグ・ボシュニアコーヴィチ/Oleg Boshniakovich
ネイガウスとイグムノフの両者に師事されていた方。
ショパン弾きとして活躍されていたそうです。
自然な呼吸が心地よく、落ち着いて聴いていられる素敵なピアニストです。
ウラディミール・クライネフ/Vladimir Krainev
ネイガウス流派のピアニスト。
とにかく美しい音色と、素晴らしい歌唱性。
サブスクで聴ける音源は少ないですが、YouTubeでも動画を見ることができます。
マリア・グリンベルク/Maria Grinberg
彼女のベートーヴェンを何度も聴いてしまいます。
ヘンに歌いすぎず、かっちりしていて構築感があります。
ロシアの女性ピアニストって、想像を絶する気迫を放つ方が多いと思うのですが、彼女の演奏を聴くときも覚悟が必要(笑)
最後までご覧いただきありがとうございました!
気になるピアニストは見つかりましたか?
少しでもお役に立てましたら幸いです。
別の記事では、現代で活躍されているピアニストも紹介していますので、こちらもあわせてどうぞ。
また、サブスクという言葉を使いましたが、クラシック音楽が好きな方にはとてもコスパの良いサービスです。
気になる演奏家や作曲家の録音を好きなだけ聴けるので、音楽ライフが充実しますよ。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、今日も良いピアノライフを!