普段クラシックを聴いていて、まだ音楽のサブスクを使ったことがない方向けの記事です。
サブスク(音楽聴き放題サービス)を使ってクラシックを聴く方が増えています。
「同じ曲でも演奏者によって解釈が変わるクラシックには、サブスクがぴったり」というのも大きな理由でしょう。
この記事では、サブスクでクラシックを聴くことのメリット、サブスクで損しないための注意点、クラシックを聴くのに適した3つのサービスを紹介します。
僕自身、5年間サブスクを利用してきましたが、クラシック好きにとって嬉しいメリットばかりなので心からおすすめできます!
それでは、解説していきますね。
この記事を読んでわかること
・ クラシックをサブスクで聴くメリットがわかる
・ サブスクで損しない注意点がわかる
・ クラシックに適した聴き放題サービスとその理由がわかる
クラシックをサブスクで聴くメリットとは?
まずは、クラシックを聴きたい方がサブスクを使うメリットを見てみましょう。
ざっと書き出してみただけでも、下記のようなものがあります。
- 新盤CDから廃盤CDまで、豊富な音源を楽しめる
- 基本的にCDと同じかそれ以上の音質
- 「気になったらとりあえず聴いてみる」ことができる
- ひとつの作品をたくさん聴き比べることができる
- 聴きたい曲を選んだプレイリストをいくつも作成できる
- 運営側で作られたプレイリストを楽しめる
- 「本当に手元に置いておきたいCDやLP」だけを買えばいいので、出費が抑えられる
- お店に行ったり、ネットで商品を探す時間を省ける
- コンポやアンプに接続して、スピーカーで楽しめる
- サブスクでしか聴けない音源がある
- 「空間オーディオ」が楽しい
上記のとおりです。
それぞれ簡単に理由を説明します。
新盤から廃盤のものまで、豊富な音源を楽しめる
5年間使ってきましたが、クラシックの新盤は、CD発売とほぼ同時期にサブスクでの配信も始まる印象です。
ときどき、発売前のアルバムの一部を先行で聴けることもあります。
特筆すべきは、昔の音源が豊富なことでしょう。
廃盤になっている音源や、そもそも日本では手に入れることが困難な音源がたくさん見つかります。
基本的にCDと同じかそれ以上の音質
これまで、CDと比べて明らかに音質が良くない音源には出会っていません。
むしろCDより高音質に感じることも。
古くて録音状態がよくない音源もありますが、その場合はCDでも変わらないことが多いでしょう(持ってるCDで比べたりしました)。
もしかしたら、プレイヤー、アンプ、スピーカーなどにすごくこだわっている方は、違いを感じるのかもしれません。
とはいえ、あるピアノ工房で、高級なタンノイのスピーカーとオーディオセットでクラシックを聴かせてもらっている時に、調律師さんが「サブスクも十分満足してますよ!」とおっしゃっていたので、あまり気にすることもないかと思います。
各サービスとも再生音質は自分で設定するので、そこだけ注意です。
「気になったらとりあえず聴いてみる」ことが可能
これは大きなメリットです!
CDをおすすめされたときや、演奏会のチラシを目にしたとき、「ちょっと聴いてみたい」と思ったらその場で聴くことができます。
アルバムを自分のライブラリに追加しておいて、家に帰ってからゆっくり聴くのもいいですね。
クラシックのなかでも、聴くジャンルに偏りがある方も多いと思います。
例えば、ピアノはよく聴くけれど弦楽四重奏や声楽はあまり聴かない、など。
聴き放題なら、お財布も気にせず、気になるジャンルを好きなだけ聴くことができますよ。
ひとつの作品をたくさん聴き比べることができる
クラシックは、同じ曲でも演奏者の解釈によって全然違う演奏になりますよね。
サブスクなら気軽に聴き比べられるので、お得ですし、とても勉強になります。
下記のようにプレイリストとしてまとめることもできますよ。
聴きたい曲を選んだプレイリストをいくつも作成できる
ひとつ前でも紹介しましたが、「自分で好みのアルバムを作れる」ようなプレイリスト作成機能がどのサブスクにも用意されています。
(無料プランでは使えないこともあります)
フランスものをまとめたり、ある曲の演奏をまとめて聴き比べたり…使い方は無限大です。
プレイリストは非公開にもできますが、同じサブスクを使っている人に共有することも可能です。
運営側で作られたプレイリストを楽しめる
これ、意外に面白いのです。
ふだん聴いている曲をAIが学習して、「あなたへのおすすめ」みたいなプレイリストを作ってくれます。
試しに聞いてみると、知らなかった素敵な曲に出会えて感動することも。
また、後ほど紹介するApple Musicでは、有名どころからマイナーな作曲家まで、初めての方向けのプレイリストを作成しています。
下記のような感じです。
作曲家についての説明も読めて、とても親切です!
「本当に手元に置いておきたいCDやLP」だけを買えばいいので、出費が抑えられる
「CD買ったけど、そんなに好きじゃなくて、結局1回しか聴いてない...」みたいなパターン、よくありますよね。
サブスクで聴いてから本当に気に入ったものを買うのであれば、そういった無駄な出費はありません。
どのサービスも月1,000円程度なので、大半のCD1枚分より安いです。
お店に行ったり、ネットで商品を探す時間を省ける
サブスクで音源を探せば、何倍も時短になります。
まあ、レコード店などで思わぬ録音に出会う楽しみもあるので、たまには買い物に出かけるのもいいですね。
コンポやアンプに接続して、スピーカーで楽しめる
クラシック音楽好きの方には、普段はCDやLPをスピーカーで聴いている方も少なくないと思います。
そういった方もご安心ください!
スマホやPCを、アンプやコンポにBluetoothや有線で繋いで、スピーカーから再生することが可能です。
「空間オーディオ」が楽しい
「空間オーディオ」とは、従来のサウンドより多層化された、立体感のある音響を楽しむことができる技術です。
イヤホンやヘッドホンで聴くと、その面白さがわかります。
ただし、サービスによっては対応していないものがあるのと、空間オーディオ対応の曲は現時点で少ないことには注意です。
空間オーディオが気になる方は、Dolbyの公式ページを見てみてくださいね。
音も聴けますよ。
クラシック好きの方が音楽サブスクを使って損しないために
サブスクを使う上で、いくつか注意点があります。
下記の通りです。
- あまり音楽を聴かないと、得した気分にならない
- 聴きたい録音がサブスクにないこともある
- クラシックの場合、検索方法に注意が必要
- 無料体験で気に入らなかったら、体験終了前に忘れずに解約を
それぞれ理由を説明していきます。
あまり音楽を聴かないと、得した気分にならない
あまり音楽を聴かない場合、得した気分になれないかもしれません。
音質や宣伝などを気にしないならば、YouTubeで聴ける音源もたくさんあります。
とはいえ、とりあえず無料体験してみるのもアリかと思います。
実際にあまり聴かなかったら、無料期間の1ヶ月だけで解約すれば問題なしかと。
聴きたい録音がサブスクにないこともある
大半の音源はサブスクだけで聴くことができますが、CDは販売されているものの、サブスクでは聴けない録音もあります。
例をあげると、僕の大好きなピアニストのダン・タイ・ソンさん。
昔の音源はサブスクで聴けるのですが、近年のものはCDのみです。
また、稀ではありますが、演奏者によっては特定の曲(アルバムの中の数曲など)だけ配信していないパターンもあります。
しかし、ほとんどのアルバムはフルで聴けるので、あまり気にしなくても大丈夫かと思います。
クラシックの場合、検索方法に注意が必要
これは、クラシック愛好家にとって最も改善してほしいポイントだと思います。
例えば、ある演奏家を検索するときに、検索結果が複数に分かれたりします。
下記の画像は、「日本語検索した場合」と「英語検索した場合」です。
アーティスト名が複数に分かれているだけでなく、「日本語だと少しだけヒットするが、英語だとたくさんヒットする」というトラップでもあります。
また、英語や原語で検索したときのみ、検索結果が出てくるパターンもあります。
「なんだ、ぜんぜん曲がないじゃん!」と思ったときは、検索ワードを変えてみると探している曲が見つかるかもしれませんよ。
無料体験で気に入らなかったら、体験終了前に忘れずに解約を
どの音楽サブスクでも、初めて利用するときは無料体験ができます。
1ヶ月のところがほとんどですが、キャンペーンで3ヶ月ほど体験できることも。
もし無料体験してみて気に入らなかったら、期間終了日までに忘れずに解約しましょう。
無料期間が終了すると自動的に有料プランになり、次月分の料金が発生します。
どのサービスも、解約はとても簡単ですので、終了日だけは覚えておいてくださいね。
おすすめのクラシック向け音楽サブスク3選
- Apple Music
クラシックファンに最もおすすめ。 - Amazon Music Unlimited
Amazonをよく使う方はお得に利用可能。音質はApple Musicとほぼ横並び。 - Spotify
無料プランもあるが機能制限あり。音質は落ちるが、少し安い。
おすすめは上記のとおりです。
これまで8つの音楽サブスクを体験してみて、その中からクラシック向けと感じた3つを選びました。
他のサービスは、音質や曲のラインナップといった点で見劣りする印象です(料金はほぼ横並びです)。
3サービスの詳細を見ていきましょう。
Apple Music
Apple Music(アップルミュージック)は、名前のとおりAppleが提供するサービスです。
1億曲以上の楽曲が聴き放題。クラシックも豊富です。
独自の技術で、高音質の楽曲を配信しています。
月額のプランは下記のとおりです。
料金プラン (税込) | 個人プラン ファミリープラン 学生プラン Voiceプラン | 1,080円 1,680円 580円 480円 |
お試し期間 | 1ヶ月無料 |
Apple Musicは、おそらく現状のサブスクサービスの中で、最もクラシックに力を入れていると思います。
クラシック専門の音楽配信サービスを買収したり、Apple Music Classicalというクラシックに特化したアプリを開発しているのです。
ただし、2023年5月1日時点で、日本ではまだApple Music Classicalの提供は始まっておらず、開始時期も公表されていません。
いずれは使えるようになると思うので、楽しみですね。
Apple Music Classicalの公式HP
僕が思うApple Musicのメリットとデメリットは下記のとおりです。
- メリット
・音楽サブスクの中でトップクラスの音質
・クラシックの配信数が豊富
・クラシックファンのために作られたプレイリストが良い
・デザインが良く、使っていてワクワクする
- デメリット
・日本語入力に弱い
・空間オーディオは、専用デバイスを使わないと再生できない
・クラシックのアルバムをライブラリに入れると、たまに2つのアルバムに分割されるバグがある
僕としては、クラシックファンの方に最もおすすめしたいサービスです。
Amazon Music Unlimited
Amazon Music Unlimited(アマゾンミュージック アンリミテッド)は、名前のとおりAmazonが提供するサービスです。
1億曲以上が聴き放題。クラシックも豊富です。
音質にこだわっており、追加料金なしでHD(CDと同等の音質)やUltra HD(CDより高音質)の音楽を楽しむことができます。
料金プランは下記のとおりです。
料金プラン (税込) | 個人プラン プライム会員プラン ファミリープラン 学生プラン ワンデバイスプラン | 1,080円 880円 1,680円 580円 480円 |
お試し期間 | 1ヶ月無料 |
Amazon Music Freeという無料プランや、Amazon Music Primeというプライム会員が利用できるプランもありますが、音質や機能が制限されています。
おすすめはしませんが、気になる方は調べてみてくださいね。
僕が思うAmazon Music Unlimitedのメリットとデメリットを書いておきます。
- メリット
・音楽サブスクの中でトップクラスの音質
・クラシックの配信数が豊富
・Amazonプライムを使っている方は、お得に利用できる
・Apple Musicに比べ、日本語入力でヒットすることが多い
・専用デバイスを使わずに空間オーディオを楽しめる
- デメリット
・クラシックの楽曲はとても豊富だが、プレイリストはあまり整理されていない
Amazonプライムを使われている方は多いと思います。
Amazonでショッピングする機会が多く、プライムビデオも見たいし電子書籍も読みたいという方は、Amazon Music Unlimitedを選ぶとお得かもしれません。
Spotify
Spotify(スポティファイ)は、スウェーデンのスポティファイ・テクノロジーが運営するサービスです。
1億曲以上が聴き放題。
無料プランと有料プランがあります。
無料プランの特徴を紹介しておきますね。
- 無料プランの特徴
・有料プランと比べ、音質が劣る
・音声広告が流れる
・オフライン再生ができない(ダウンロードしておくことができない)
・順番に再生されずシャッフル再生になる
・曲送り(スキップ)は「1時間に6回まで」の回数制限がある
・曲戻しができない
・スマホでは聴きたい楽曲の指定再生ができない
なお、無料プランに登録してから一定期間は、有料プランと同じように自由に再生できますよ。
一方、有料プラン(Spotify Premium)の料金は下記のとおりです。
料金プラン (税込) | Standard Premium DUO Family Student | 980円 1,280円 1,580円 480円 |
お試し期間 | 3ヶ月無料 |
僕が思うSpotifyのメリットとデメリットは下記のとおりです。
- メリット
・クラシックの曲数が豊富で満足できる
・Apple Music、Amazon Music Unlimitedと比べて、少し安い
- デメリット
・しっかり聴きたいときは、無料プランだと微妙
・有料プランでも、Apple Music、Amazon Music Unlimitedより音質が良くない
・空間オーディオには非対応
Spotifyは、音質は他の2サービスに劣るものの、楽曲数は豊富ですし料金も若干安いです。
Spotifyの公式ページ
よくクラシックを聴くなら音楽サブスクはお得
クラシックを聴く方にとって、サブスクは本当に良いサービスだと思います。
僕はこれからも使い続けます!
音楽サブスクでクラシックをもっと楽しめる方が増えることを願っています。
無料体験・解約も簡単なので、いくつか使って比較してみるのも良いかもしれませんね。
本記事で紹介したクラシック向けサブスク
- Apple Music 無料体験あり
- Amazon Music Unlimited 無料体験あり
- Spotify 無料プラン・無料体験あり
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それでは、今日もよい音楽ライフを!