昨日記事を書いた『戦場のピアニスト』の監督であるロマン・ポランスキーの、『チャイナタウン』を観てみました。
50年ほど昔の映画ですが、20代の僕からしても、ぜんぜん色褪せていない作品です。
本当に怖すぎた...
映画紹介とレビューを書いていきます。
『チャイナタウン』が配信されているVODも紹介しますね。
この映画は、こんな方におすすめ
・探偵ものやハードボイルドが好きな方
・人間同士のシリアスな駆け引きを見たい方
『チャイナタウン』映画情報とあらすじ
- 基本情報
原題 | Chinatown |
監督 | ロマン・ポランスキー |
脚本 | ロバート・タウン |
主な出演 | ジェイク・ギテス:ジャック・ニコルソン エヴリン・モーレイ:フェイ・ダナウェイ ノア・クロス:ジョン・ヒューストン |
公開 | 1975年 |
上映時間 | 130分 |
- あらすじ
第二次世界大戦前の南カリフォルニア。
U-NEXTより引用
私立探偵ジェイクは、ダム建設技師モーレイの妻を名乗る女性から、夫の浮気調査を依頼される。
早速、調査を開始したジェイクだったが、やがて彼の前に本物のモーレイ夫人が現れ、モーレイ本人の死体が発見される…。
『チャイナタウン』のレビュー・感想
ここからは、感想とレビューを書いています。
重要な部分のネタバレをしないよう気をつけていますが、セリフを引用したり、内容にも触れています。
気にされる方はここでストップするか飛ばしてくださいね。
制作の背景にある悲劇
『チャイナタウン』制作の数年前のこと。
ポランスキー監督の妊娠中の奥さんが、カルト集団に惨殺されてしまう事件があったのだそうです...
この作品は衝撃的な結末を迎えますが、もともと脚本にあった結末とはだいぶ異なっているとのこと。
映画には、監督や脚本家が「人生とはこういうものです」と示す側面もありますよね。
『チャイナタウン』では、観客も重く苦しい経験をすることになります。
しかし、紛れもない名作です。
「怠け者の街」
物語の終盤、舞台はチャイナタウンに移り、ジェイクは呆然としながら「怠け者の街だ...」と呟きます。
ジェイクは、元々チャイナタウンを担当する検察官。
当時、アメリカのチャイナタウンは無法地帯だったそうで、行政機関が事件に介入すると事態を悪化させてしまうことがよくあったそうです。
そのため、チャイナタウンに配属されたら「できるだけ何もしないで傍観する」のが最善の策。
ジェイクは、チャイナタウンで働いていた頃に愛する女性を守れなかったという葛藤を抱え続けています。
しかし再び、自分が介入したことで恐ろしい事態を招いてしまうのです。
ジェイクは「正面突破!」って感じのキャラで、それが裏目にでて何度も痛い目にあっています。
「なんでそんなことしちゃうの!」とツッコミたくなる場面も多々ありましたが...
そのキャラに感情移入できるような展開なので、けっこうしんどかったです。
出演者の演技力の凄さ
メインの登場人物たちの、表情による感情表現に圧倒されました。
ジェイク、エブリン、ノア・クロスと、ものすごい存在感です。
エブリンは、中盤まで能面のごとく表情を変えませんが、ほんの一瞬の動揺などうますぎです。
終盤の、「私は父と...お分かり?」の場面なんてやばすぎる。
渦巻く複雑な感情。
あそこまで衝撃的なシーンは、なかなかお目にかかれない気がします。
そして、ラストのノア・クロス。まじでやばい。
エンドロールが流れ始めて、思わず呟いたのは「こっわー...」
この映画に流れる価値観は、「悪はまかり通る。金さえあれば。」でしょうね。
金の力であらゆる欲望を実現する、圧倒的な悪に叩きのめされました。
『チャイナタウン』の音楽と映像
この映画の音楽と映像についても、少し書いておきます。
音楽について
音楽を手がけるのは、アメリカの映画音楽の巨匠ジェリー・ゴールドスミス。
この映画の音楽、めちゃくちゃ恐怖でした。
シーンの緊迫感と音楽がマッチしすぎ。
ピアノの低音やハープの音、ずり上がる弦の音などが、絶妙に気持ち悪いです。
ゾワゾワと煽り立てられる感じ...
褒めてるんですよ(笑)
哀愁漂うメインテーマは、素敵です。
映像について
本当に50年前⁈って驚くほど、古めかしい感じがしないです。
家や家具なども、日本が欧米を追いかけているというのもあると思いますが、モダンに感じるところもあります。
カリフォルニアが舞台なだけあって、カッと照りつける太陽や、乾燥地帯の空気感が印象的。
派手なセットを使わないおかげで、とても現実感があり、恐怖倍増です。
『チャイナタウン』を無料視聴できるVOD
2023年5月現在、この映画を追加料金なしで視聴できるVODは下記のとおりです。
- 『チャイナタウン』を配信中のVOD
・U-NEXT(31日間の無料体験あり)
配信されている作品は時期によって変動するので、公式ページで確かめてみてくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
それでは今日もよい1日を!