映画『戦場のピアニスト』を観ました。
ユダヤ系ポーランド人のピアニストであるウワディスワフ・シュピルマンが経験した実話に基づく物語。
凄惨なホロコーストを描いた作品です。
映画紹介とレビューを書いていきます。
『戦場のピアニスト』が配信されているVODも紹介しますね。
この映画は、こんな方におすすめ
・奇跡的に戦争を生き延びたピアニストの壮絶な経験を追体験したい方
・ナチスのユダヤ人迫害について知りたい方
『戦場のピアニスト』映画情報とあらすじ
- 基本情報
原題 | The Pianist |
監督 | ロマン・ポランスキー |
主な出演 | ウワディスワフ・シュピルマン:エイドリアン・ブロディ ヴィルム・ホーゼンフェルト大尉:トーマス・クレッチマン ドロタ:エミリア・フォックス |
公開 | 2002年 |
上映時間 | 149分 |
- あらすじ
1939年、ナチスドイツがポーランドに侵攻したとき、シュピルマンはワルシャワの放送局で演奏するピアニストだった。
Amazonより引用
ワルシャワ陥落後、ユダヤ人はゲットーに移住させられ、飢えや無差別殺人に脅える日々を強いられる。
やがて何十万もユダヤ人が強制収容所へ移されるなか、シュピルマンは奇跡的に死を免れ、ワルシャワ蜂起を目撃する。
必死に身を隠し、ただ、生き延びることだけを考えるシュピルマン。
だが、ある晩彼は遂にひとりのドイツ人将校に見つかってしまう…。
『戦場のピアニスト』のレビュー・感想
名作であることは僕が言うまでもないですが、感じたことを書いてみます。
ネタバレ要素もありますので、気にされる方はここでストップするか飛ばしてくださいね。
時間軸は、第二次世界大戦中にポーランドの首都ワルシャワがナチスに占領されてから、最悪の事態に発展していき終戦を迎えるまで。
ピアニストのシュピルマンに焦点を当てながら、戦争とホロコーストが深刻化していく様が描かれていきます。
ホロコーストを描いた映画は『ライフ・イズ・ビューティフル』、『シンドラーのリスト』、『縞模様のパジャマの少年』などを観てきて、いずれも感銘を受ける作品でした。
この『戦場のピアニスト』も、真実味がありながらストーリー性も高く、引き込まれます。
普通の生活か崩れていき、街中に「死」があふれる世界。
行き交う人々の間には死体がごろごろ転がっていますが、人はそれが当たり前になると慣れてしまうもの。
重く苦しい世界に心がえぐられます。
シュピルマンは生きることに必死で、彼自身の主張はそんなに強くありませんし、こちらがあっと驚くような行動をとるわけでもありません。
しかしだからこそ、周りで起きていく出来事が際立っています。
なんだか、自分がシュピルマンと同一化して、作品の世界に入り込んでしまっているような感覚になりました。
シュピルマンを助けたナチスの将校は、ベートーヴェンの「月光」ソナタを弾いていました。
そしてシュピルマンの演奏に心を動かされて、彼を助けた。
国や人間同士の状況に関係なく、音楽を愛せる心をもった同じ人間のはずなのに...
この映画で描かれるような凄惨な事態も、別の世界の出来事では決してありませんよね。
第二次世界大戦から今日まで、世界各地で虐殺や戦争が絶えません。2023年の今も。
シュピルマン自身にも、彼を助けた人々にも、深い人間愛を感じることができたのが印象的でした。
だいぶ消耗してしまいましたが、おすすめの映画です。
『戦場のピアニスト』の音楽と映像
この映画の音楽と映像についても、感じたことを少し書いておきます。
音楽について
ポーランドのピアニストだけあり、ショパンの作品がたくさん使われています。
ショパンの時代にも、ポーランドはロシアの侵攻を受けていたことを思うと、辛くなりますね...
悲哀のこもった旋律が胸に迫ってきます。
シュピルマンが、音を出せないのでイメージトレーニングしている場面が何度か描かれます。
イメージトレーニングって、例えばピアノなら触感までもリアルにイメージすることで、実際に弾いているのに近い練習効果があるそうです。
世界の名ピアニストたちも、イメージトレーニングの有効性について語られています。
そう考えると、長い間弾けなかったシュピルマンがいきなり弾けたのも納得できますね。
サウンドトラックも聴けます。
映像について
ドキュメンタリー調の、彩度低めで主張しない映像です。
必要以上に光を誇張したり、凝った構図を使ったりしないので、とても現実的。
現実的すぎて、いっそう恐怖感が増しているように感じます。
先ほどにも書いたとおり、自分がシュピルマンと同一化しているような感覚になります。
いろいろと事件が起こりますが、シュピルマンに近い位置からカメラを向けているような描き方によって、彼の視線を再現しているからでしょうか。
もちろん鑑賞中にそんなこと考えている余裕はないのですが、思い返してみると(笑)
『戦場のピアニスト』を無料視聴できるVOD
2023年5月現在、この映画を追加料金なしで視聴できるVODは下記のとおりです。
- 『戦場のピアニスト』を配信中のVOD
・U-NEXT(31日間の無料体験あり)
配信されている作品は時期によって変動するので、公式ページで確かめてみてくださいね。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
それでは今日もよい1日を!